富山県高岡市の日本の伝統工芸・高岡銅器とは
こちらの動画は「伝統工芸 青山スクエア」が制作した、富山県高岡市の伝統工芸「高岡銅器」の紹介動画「手技TEWAZA「高岡銅器」Takaoka Copper Casting」です。
富山県高岡市の高岡銅器とは江戸時代の加賀前田藩の前田利長が鋳物(いもの)の発祥地とされる京都の丹波から7人の鋳物職人を招いて工場を開いたことが起源とされています。
高岡銅器では主に仏像や銅像、花瓶、香炉、梵鐘、など仏具に関連する製品を作ることが多く、ほとんどの製造工程が職人による丁寧な手仕事で行われ、その匠の技は日本の伝統工芸文化として海外でも高く評価されています。
富山県高岡市にある大佛寺の高岡大仏は高岡銅器職人の技術の結晶と言われています。
この動画は高岡銅器の作業工程が紹介された貴重な映像となっています。職人の匠の技を心ゆくまで堪能できる動画をお楽しみください。
日本文化の至宝「高岡銅器」の工程
「高岡銅器」は基本的に金属を高温で溶かし、型に流し込んで目的の形状にする「鋳物(いもの)」という技術で生産されます。
日本の鋳物技術は世界的にも高いと評判で、中でも富山県高岡市の鋳物技術は国際的な名声を得ています。
では、動画でも紹介している高岡銅器の作り方を簡単に説明していきましょう。
1.原型制作(動画0:18~)
設計図を元に木材、石膏、粘土、樹脂などを使って原型を制作します。この原型が最終的な作品のグランドイメージになります。
2.鋳型造形(動画0:29~)
原型に耐火性のある素材を使い、銅を流し込むための鋳物を作ります。この工程が最も重要といわれています。鋳物砂で作る鋳型は精密な職人技です。
3.精錬、溶解(動画0:44~)
不純物を取り除き、金属の純度を上げる工程を精錬と言います。精錬された金属は高温で溶かされ液体化します。溶けた銅合金の1200度に達します。
4.鋳込み(動画1:00~)
精錬、溶解した銅を鋳物に流し込む作業です。
5.型外し(動画1:23~)
鋳物の中で冷え固まった銅を鋳物から外し仕上げ作業に入ります。
6.研磨(動画1:48~)
研磨により綺麗に磨かれます。
7.着色(動画2:05~)
着色や象嵌細工などが施され完成です。
動画の1:31より高岡銅器職人は「発注者の方の思いが伝えられ、愛される仏像やモニュメントになってほしいとまず考えている」と語ります。
パリ万国博覧会で世界的な人気を博した「高岡銅器」の芸術品たち
高岡銅器でつくられた仏像や花瓶などの美術品の数々はパリ万国博覧会に出品され、世界でもその名が知られるようになりました。
こうした工芸品たちが見事な造形なのは鋳物に彫金を施す「唐金鋳物(からかねいもの)」を生産したことで発達してきたからです。
富山県高岡市では今も時代を超え、かつての名工たちの子孫が伝統工芸の技術や手技を受け継いで数々の芸術品を世に送り出しています。
匠の技、丁寧なて仕事による美術品「高岡銅器」のまとめ
日本の伝統工芸「高岡銅器」ではこの全て工程を今でも職人による丁寧な手仕事で生産されています。
高岡銅器職人は動画の2:26より「400年の歴史ある積み重ねられた技法を次の世代に繋げていきたいと語っています。」
この貴重な日本文化の継承のため、高岡市では高岡銅器の体験教室などを開くなどして後進の指導にあたっています。
高岡市美幸町には、高岡銅器展示館があり、実際に商品を目にして購入することができます。大型ブロンズ像は数百万円の値が付くものもあります。
また、高岡銅器の製品は楽天やamazon(アマゾン)などのインターネット通販でも購入可能で、おちょこや置物、文鎮、仏具のおりんなどがあり、特に株式会社竹中銅器の商品が人気があります。
この株式会社竹中銅器は高岡市の「国宝 瑞龍寺」に実物の100分の1のサイズの青銅鋳造模型を寄贈しました。
「国宝 瑞龍寺」は、瑞龍寺をライトアップする春のイベントが人気で、織田信長公父子の分骨を迎えて霊を慰めた織田信長公御分骨廟がある高岡市での人気の観光スポットのひとつです。
「国宝 瑞龍寺」から八丁道という石灯篭が続く道の先に、高岡銅器の歴史に大きく関わった前田利長の墓もあります。
近年では、高岡銅器協同組合の組合加盟の9社が、オリジナルの「高岡風鈴」を制作し、高岡市の高岡地域地場産業センターや高岡御車山会館、工芸品を扱うショップなどで販売することがニュースにもなりました。
【公式ホームページ】株式会社 梶原製作所
http://kajihara-ss.com/
【公式ホームページ】伝統工芸青山スクエア
https://kougeihin.jp/
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