南部鉄器紹介動画について
この動画は「東北STANDARD」が制作した、「東北STANDARD 05 岩手県 南部鉄器」です。
動画では、空間鋳造の鋳鐵作家・岩清水久生さんのインタビューを交え、南部鉄器を紹介しています。
日本に古くから伝わる伝統産業、伝統工芸をこの動画で是非ご覧ください。
南部鉄器とは
南部鉄器とは、今から約400年前からの長い歴史がある鉄器です。
南部鉄器は岩手県水沢の南部鉄器と、岩手県盛岡の南部鉄器があり、異なる歴史がありますが、現在の南部鉄器と呼ばれる商品は岩手県盛岡のものになります。
盛岡の鋳物は、慶長時代に盛岡藩主南部氏が盛岡城を築城した頃に始まったと言われています。
南部鉄器で作られた商品は鍋、釜、風鈴、燭台、急須、フライパン、やかんなどがありますが、最も有名なのが茶道、茶の湯で使用する「鉄瓶」です。
この鉄瓶は、南部藩第28代藩主「南部重直」が京都の小泉仁左衛門清行を招いて、高品質な鉄で茶釜を作らせたことから始まったと言われています。
当初は茶釜として使われていたので、注ぎ口や取っ手が付いていませんでしたが、改良を重ねて、動画の0:47からご覧になれる注ぎ口や取っ手の付いた現在の特徴のある形となりました。
この南部鉄器を使用することにより、現代人が不足がちの鉄分を補給することができます。
鉄分補給をすることで肩こり、貧血予防につながります。
南部鉄器で水道水を沸かすと、カルキがほとんど除去されるというメリットもあります。
第二次世界大戦時には兵器の開発が優先され、岩手県でも鉄製品の生産が禁止されるなど危機に直面したこともありましたが、戦後は無事に復興し、1975年には国の伝統的工芸品に指定されました。
南部鉄器の作り方
作業工程1. 型挽(動画 0:02~)
南部鉄器の木型を制作します。
作業工程2. 紋様押し/肌打ち
南部鉄器の型となる鋳型が乾く前に、霰・亀甲・松・桜や、雲龍・山水などの紋様をヘラなどの道具を使って作ります。
作業工程3. 型焼き
鋳型を約1300度の炭火で焼きます。
作業工程4. 溶解作業(動画 0:13~)
溶鉱炉を約1400度から1500度まで温度を上げて、溶かした鉄を鋳型に流し込みます。
作業工程5. 釜焼き(動画 1:17~)
鉄器を鋳型から取りはずし、約800度の炭火で30~40分程度蒸し焼きします。
作業工程6. 着色/仕上げ
鉄瓶の表面をヤスリ等で注ぎ口などの細部に渡り、綺麗にします。
おはぐろ(酢酸鉄溶液に茶汁を混ぜ合わせた汁)を塗り表面に光沢を出して完成です。
南部鉄器紹介まとめ
この動画の0:41より、鋳鐵作家・岩清水久生さんは「南部鉄器の歴史を抱えながら今のシンプルな道具として作り直したい」と語ります。
また0:52よりは「焼肌磨きという商品を世に紹介しています。
型からでき上がったものを削って自分の考えているフォルムに作り上げていく」と、今までの南部鉄器の歴史の中にない商品を作っていることをインタビューで答えています。
この動画をご覧になって南部鉄器に興味を持たれた方は、楽天市場などのインターネット通販でも購入可能となっていますので、ご覧になってみてはいかがですか。
南部鉄器老舗の岩鋳、釜定、鈴木盛久工房、oigenの商品が人気があり、価格は数千円から販売されています。
現在では、IH対応の商品や南部鉄器を使用した炊飯器、鉄瓶に色を施したカラーポット(動画 1:42~)も作られています。
錆びたらどうする?と思う方もいらっしゃると思いますが、南部鉄器は少々の錆なら問題無く使うことができ、きちんとした手入れをしていれば、一生ものの道具になります。
外国人の方にも人気の南部鉄器の動画を是非ご覧ください。
空間鋳造 | Analogue Life
https://analoguelife.com/ja/brands/kukan-chuzo
【公式ホームページ】IWACHU | 株式会社岩鋳 本場盛岡 南部鐵器の岩鋳
https://iwachu.co.jp/
【公式ホームページ】釜定/宮伸穂 | designshop
https://www.designshop-jp.com/shopbrand/023/P/
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