日本の伝統工芸「宮城伝統こけし」
こちらの動画は「伝統工芸 青山スクエア」が公開した「手技TEWAZA「宮城伝統こけし」miyagi traditional wooden doll/伝統工芸 青山スクエア Japan traditional crafts Aoyama Square」です。
こちらの動画では宮城県の伝統工芸「宮城伝統こけし」の制作過程をご紹介しています。
動画に出てくるのは全部で11種類あると言われる日本の伝統こけしの中の1つ「鳴子こけし」。
工房では熟練した職人さんの手仕事で丁寧に「こけし」が作られているのがわかりますね。
驚くのは宮城伝統こけしはこけし工房で一人の職人さんの手仕事によって木地造りから絵付け、仕上げまで行われているということ。
名工の手技は迷いがなく見ているこちらのほうが気持ちよくなる「癒し系」の動画です。
近年では訪日観光客のお土産としても人気の「こけし」を動画でご堪能ください。
伝統工芸「宮城伝統こけし」の歴史と文化
この鳴子こけしは首を回すと鳴る「キュ、キュ」という可愛らしい音が名前の由来です。
昔はどの家にも1体はこけし人形があったものですが、そもそも「宮城伝統こけし」にはどのような歴史と文化があるのでしょう?
「こけし」の歴史は非常に古く、今からおよそ1,300年前、称徳天皇の時代に4種類の陀羅尼経を収める入れ物が始まりとされています。
この陀羅尼経は100万本あったことからそれを入れるこけしも「百万塔」と言われていました。
その後、清和天皇の時代に第一皇子である惟喬親王が近江の国でろくろの技術を学び、それを木地師達に教え広めました。
その一派の中で関東から東北へと広がった木地師達が作る工芸品が今の宮城伝統こけしの始まりといわれています。
女の子が遊ぶ玩具というイメージが強いですが、日本の歴史と共に発展してきた由緒正しき伝統文化なのです。
宮城の民芸文化を象徴する伝統工芸
東北地方は雪深く、作物が育ちにくいため冬場の産業が乏しく、湯治や旅行で訪れる人たちのお土産品として作り出された文化と言われています。
そして宮城伝統こけしが現在の形になったのは今から283年前の江戸時代のことです。
長い歴史を持つ伝統工芸ですね。
全国に11ある系統のうち以下に紹介する5種類のこけし文化が宮城県付近で盛んに作られるようになります。
宮城伝統こけしは宮城の発展を支えてきた伝統工芸品なのです。
伝統工芸文化「宮城伝統こけし」の系譜
宮城伝統こけしは
・鳴子こけし
・作並こけし
・遠苅田こけし
・弥次郎こけし
・肘折こけし
の5種類です。
動画で紹介した鳴子こけしの特徴は「古風な日本美人をイメージさせる」という点です。
宮城県の有名な温泉地に鳴子という地域がありますが、その地名がこの鳴子こけしが起源という説もあります。
地名の由来が宮城伝統こけしにあるというのも驚きですね。
気候の厳しい東北にとってこけし産業という文化が非常に重要な伝統工芸であったことがわかります。
伝統工芸文化「宮城伝統こけし」の生産工程・制作工程・作り方
動画でご覧になれる「宮城伝統こけし」の制作工程を動画に沿ってご紹介します。
1、 原料・材料となる原木の乾燥(木の皮をむいて6ケ月~1年間自然乾燥させる) [動画:0:18~]
2、玉切り(寸法に合わせて原木を切る) [動画:0:27~]
3、木取り(木の余分な部分を切り取る) [動画:0:35~]
4、荒挽き、頭挽き、胴挽き、ロクロ挽き [動画:0:51~]
5、磨き(サンドペーパー、とくさなどで磨く) [動画:1:16~]
6、さし込み、はめ込み、首入れ [動画:2:06~]
7、描彩(顔や胴の絵柄を描く) [動画:1:53~] [動画:2:28~]
8、仕上げ(仕上げにロウをひく)
日本の伝統工芸文化「宮城伝統こけし」のまとめ
このように日本の文化と歴史を色濃く今に伝える宮城伝統こけしを通して日本史のロマンに触れてみませんか?
きっとあなたも芸術作品、美術作品のような美しさ、そして可愛らしさを併せ持つ日本伝統の玩具の魅力に取りつかれるでしょう。
【公式ホームページ】宮城伝統こけし 宮城県 | 東北の伝統的工芸品ホームページ
https://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/densan-ver3/html/item/miyagi_01.htm
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