日本で古くから愛されてきた日本食を和食と言い、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
その和食の中でも、日本国内はもちろんのこと世界中で有名なグルメが「寿司」になります。
寿司の名前の語源は「酢飯(すめし)」から来ており、"寿""司"と縁起のいい漢字が使われました。
また「鮨」「鮓」と書かれることもありますが、これは当て字となっています。
基本は酢飯と魚介類を合わせたもので、起源・歴史は非常に古く、紀元前4世紀ごろに東南アジアの民族が魚を米の発酵で長期保存するために生まれたと言われています。
その技術が奈良時代に日本に伝わり、酢飯に川魚を乗せて一晩寝かせて、保存食をして食べられていました。
その後、江戸時代に生鮮魚介や貝を使う「にぎり寿司」が江戸(現在の東京)で流行となり、江戸前(東京湾)で採れた魚介を使う事から「江戸前寿司」と呼ばれていました。
この江戸前寿司が、現在世界中で愛されている握り寿司の元祖です。
当時は寿司は屋台で販売されており、庶民がお腹いっぱい食べられるようにシャリ(米)も、現在の寿司と異なりおにぎりサイズの大きさでした。
また、屋台に掛けられた暖簾で寿司を食べ終わったお客さんが手を拭いて帰るため、暖簾の汚さが人気のバロメーターになっていたと言われています。
現在、ほとんどの寿司屋にはカウンターが用意されていますが、これは当時の屋台の形式が屋内に持ち込まれたためです。
この江戸前寿司は、1923年に発生した関東大震災により被災した東京の寿司職人が故郷に帰り、日本中ににぎり寿司として広がりました。
日本全国の寿司の有名な地域・スポットは新鮮な魚が手に入りやすい、東京・築地、東京・銀座、富山県、石川県金沢、福岡などになります。
その後、日本全国のご当地のネタや旬のネタを使い様々な寿司が生まれました。
手巻き寿司、稲荷寿司、ちらし寿司、五目寿司・ばら寿司、押し寿司、茶巾寿司、手まり寿司、創作寿司、なれずし、伊達巻寿司、太巻き祭り寿司、島寿司、笹巻きすし、鮒寿司、柿の葉寿司、めはり寿司、鯖寿司、松前寿司、大阪寿司、バッテラ、生ずし、温ずし、ばら寿司、どどめせ、田舎寿司、酒寿司などがあります。
寿司屋と言うと、老舗の高級なイメージを持たれる方も多いかと思いますが、近年では比較的お安いお値段で食べられる回転ずしも人気です。
家族でワイワイ楽しく食べられるお店から、本格的な新鮮なネタの寿司が食べられるクオリティが高くコストパフォーマンスの良いお店まで様々な種類のお店があります。
人気の回転ずしチェーン店はかっぱ寿司、はま寿司、スシロー、くら寿司、寿司ざんまいなどとなっています。
寿司を食べる際には、寿司ならではのマナーも存在します。
日本の食事は基本的に箸を使用して食べますが、握り寿司は手で食べてもお箸で食べても問題なく、手で食べるのが通と言われることもあります。
注文はお好みの寿司を寿司職人・板前さんにメニューを告げてお客さんのお好みで握って貰うのと、お任せ(コース)で頼むものがあります。
お好みで握って貰う際には、魚が時価の為に金額の記載されていないメニューもあります。
寿司屋独特の用語もあり「シャリ = 寿司飯」「ガリ = しょうが」「アガリ = お茶」「ムラサキ = お醤油」「ナミダ = わさび」「ギョク = 玉子」などの、これらの用語を覚えてから寿司屋に行くのも粋かもしれません。
寿司屋のおすすめの人気のネタ(メニュー)のランキング上位は、中とろ、サーモン、ねぎとろ、いくら、うに、大とろ、穴子、甘海老、まぐろ、いかとなっています。
この日本の寿司文化は近年では諸外国にも伝わり、生魚と苦手とする外国では、鶏のささ身、ツナ缶、アボガドをネタ(メニュー)に使用したロール寿司(カリフォルニアロール)として、新たな進化を遂げています。