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伝統工芸品「伊勢形紙」紹介動画について

こちらの動画は「伝統工芸 青山スクエア」が公開した「手技TEWAZA「伊勢形紙」Ise-katagami Paper Stencil/伝統工芸 青山スクエア Japan traditional crafts Aoyama Square」です。

伊勢形紙(いせかたがみ)は、型染めに用いられる型紙です。
古くから伊勢(三重県鈴鹿市)で作られ、現在でも流通している90%以上の伊勢形紙はこの地域で生産されています。
伊勢形紙は1955年に、文化財保護法に基づき工芸技術としての重要無形文化財に指定され、6名の職人が重要無形文化財保持者(人間国宝)として認定されました。
1983年には通産省の伝統的工芸品の指定も受けています。

日本の伝統工芸品である伊勢形紙とは

伊勢形紙は、柿渋で張り合わせて補強した美濃和紙を台紙にし、文様や図柄を彫刻刀で丹念に彫り抜いたものです。
職人が彫刻刀による手彫りで図柄を彫り抜いて作りあげる独特の風合いが魅力です。

千有余年の歴史を誇る伊勢形紙は、古くから友禅や小紋、浴衣など着物の文様の型染めに用いられてきました。 図柄の芸術性が再評価され、現在は着物の染色のみならず生活に密着した日用品などにも使用されるようになっています。
例えば襖・障子などの室内装飾やLED照明にも応用されるなど伊勢形紙の新しい取り組みに注目が集まっています。
さらに団扇、扇子、しおりなどの和小物は連日多くの外国人観光客がお土産品として買い求めています。

日本の伝統工芸品である伊勢形紙の制作工程

繊細で美しい文様で世界的に高く評価されている伊勢形紙ですが、型紙を作るには高度な技法と根気が必要です。 動画でご覧になれる制作工程を簡単に説明すると、まず最初は型地紙づくりです。
美濃和紙を柿渋でベニヤ状に張り合わせ、天日乾燥と室枯らし(燻烟)を繰り返します。
ここまで延べ40日ほどかけて作られます。
出来上がった紙を選別後、2、3カ月~1年間、寸法を安定させるために寝かせます。
出来上がった伊勢形紙は染型紙として用いられ、細かい刃先の彫刻刀で精巧微細な図柄を彫っていきます。
色や素材の使い方しだいで、職人の技法とデザインセンスが光る作品が生まれるのです。

日本の伝統工芸品である伊勢形紙紹介まとめ

残念なことに着物の需要の減少によって伊勢形紙業者は縮小傾向にあり、技術保存会などが用意された型紙に彫っていく1日体験コースや、本格的な伊勢形紙の技術が学べる弟子入りコースなど優れた技術を後世に伝えようと様々な工夫をしています。
その反面、手仕事から生まれる美しい模様の伊勢形紙は日本文化の象徴、また伝統工芸品として外国人旅行客に好まれています。
伊勢形紙はこれからも美術伝統工芸品として高く評価され、人々を魅了し続けることでしょう。

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年9月15日
日本
鈴木 正孝(Masataka Suzuki)
浅草住みの気ままライター。旅行と小説を読むことが趣味
伊勢形紙は粋な和風文化。1000年あまりの歴史を誇り、浴衣や着物の模様として世界的に高く評価されている三重県鈴鹿市の伝統工芸品の魅力を探る!
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