国際宇宙ステーション最大の日本実験棟「きぼう」
今回ご紹介する動画は「JAXA(宇宙航空研究開発機構)」公開した、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」を紹介した「2019-2020 JAXA 有人宇宙活動~「きぼう」その先へ」です。
地球から2,000km以内の「地球低軌道(LFO)」と呼ばれる地域は宇宙への玄関口とも言われ、様々な人工衛星が飛びます。
動画の0:33からご覧になれるように、高度約400kmを周回するISS国際宇宙ステーションに、最大級の宇宙実験施設「きぼう」が2009年に完成しました。
日本実験棟「きぼう」の大きさは約108.5m×72.8mで内部の質量は約420t、時速約27,000kmという速度で飛行しています。
また、宇宙へ物資を運ぶ宇宙ステーション補給機「こうのとり」も打ち上げに成功し、「こうのとり」8号機はミッション成功率100%を達成しました。
日本実験棟「きぼう」での実験
日本実験棟「きぼう」では「宇宙でしかできないことを社会のために」として、多くの実験を行っています。
動画の1:37からご覧になれる細胞培養装置(CBEF)では、重力が生物に及ぼす影響を調べることができます。
2019年の秋には、よりサイズの大きなものも取り付け可能な細胞培養装置追加実験エリア(CBEF-L)も搭載されました。
静電浮遊炉(ELF)では、物質を浮かべて溶かす材料実験装置で、ガラスやセラミックスなどの地上では実験の難しい物質も調べられます。
小型衛星放出機構(J-SSOD)は「きぼう」のエアロックとロボットアームを使い小型衛星を放出する仕組みです。
民間企業との開発で生まれた小型衛星光通信実験装置(SOLISS)は、将来衛星間や宇宙-地上間の大容量通信を可能にするための光ディスク技術を用いた実験を行っています。
友人宇宙活動は地球低軌道を超えて
写真:火星
これからの宇宙活動は、月や火星といった宇宙探査を見据えた時代に入ります。
環境制御・生命維持システム(ECLSS)技術は水や空気などを浄化する仕組みです。
日本の優れた水処理技術を使った水再生システムが実証実験に入ったのです。
新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)は「こうのとり」の輸送能力を向上させ、運ぶだけでなく軌道上ミッションを視野に入れた日本独自の宇宙船で、2021年度に打ち上げ技術実証が予定されています。
日本実験棟「きぼう」で活躍する日本人
日本実験棟で活躍する日本人宇宙飛行士がいます。
野口聡一さんは日本実験棟「きぼう」のメンテナンスと各種実験を実施しました。
衛星間通信システム(ICS)を稼働させ、ハイビジョン映像で地上と交信をし、ISSへ訪問する宇宙船・補給機の受け入れ準備なども担当しています。
また、野口聡一さんはTwitterなどのSNSを通じて情報発信や画像・動画の発表をすることで地上の人々との交流を実現しました。
土井隆雄さんは「きぼう」船内保管室を取り付け、整備を担当しました。
ロードマスター(物資移送責任者)としてスペースシャトルとISS間の物資移送の取りまとめを行いました。
星出彰彦さんは2020年の国際宇宙ステーションへの長期滞在が決定し、ミッションの終盤にはISSの船長として指揮を執ることが決定しています。
宇宙ステーションの要となる「きぼう」紹介まとめ
写真:衛星
日本実験棟「きぼう」は宇宙ステーションの要となる施設です。
日本の技術が宇宙での活動の最先端を賄っていることは私たちの誇りです。
動画を通じて宇宙で活躍を続ける日本の技術者や宇宙飛行士たちに思いを馳せてみましょう!
【公式ホームページ】日本実験棟「きぼう」/国際宇宙ステーション(ISS) - JAXA
https://www.jaxa.jp/projects/iss_human/kibo/index_j.html
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