天童将棋駒の動画紹介
こちらは『伝統工芸 青山スクエア』制作の山形県の伝統工芸品を紹介する『手技TEWAZA「天童将棋駒」TENDO-SHOGI-KOMA/伝統工芸 青山スクエア Japan traditional crafts Aoyama Square』という動画です。
天童将棋駒とは
この動画で紹介される天童将棋駒(読み方:てんどうしょうぎこま)は、山形県天童市とその周辺で作られる将棋の駒。天童将棋駒産業は、全国の将棋駒の生産量の約9割をしめます。
天童将棋駒には作り方や材料によって種類があり、値段もさまざま。天童将棋駒の材料は、高級品の本黄楊(ほんつげ)のほか、ウリハダカエデやホオノキなどが使われます。
樹類だけでなく、木目の出方も天童将棋駒にとって重要で「柾目(まさめ)」「虎斑(とらふ)」「根杢(ねもく)」などの美しい模様が入るほど高級な駒になります。
天童将棋駒のうち、最もお手頃価格の初心者向けのこまが「押し駒」で、文字をスタンプしたタイプ。ついで文字を漆で書く「書き駒」、文字部分を彫る「彫り駒」、彫った文字の溝に漆を入れる「彫埋駒」、彫埋駒にさらに漆を乗せて文字を立体的に盛り上げた駒が「書体盛り上げ駒」です。
手彫り・漆を筆で乗せる伝統工芸品の駒が美しい仕上がりで高級品とされています。
プロがトーナメント戦で使用する駒は、このうち本黄楊の書体盛り上げ駒。天童将棋駒の値段は、数千円から、最高級品は1組で20万円を超えるものまであります。将棋駒は通販でも販売されており購入することができます。
手作りの天童将棋駒は、高級感のあるなめらかな手触りと、将棋を指したときの透き通るような音が、特徴であり魅力といえるでしょう。
天童将棋駒の歴史・起源について
インドを発祥にして、西洋の「チェス」が東に渡ったことが将棋駒の由来です。天童将棋駒は、幕末・武士の内職として奨励されたのが製造の始まりといわれています。
財政が困窮したため救済策として駒の製造を推奨したのは、江戸時代の天童織田藩です。
天童市の観光
写真:山形県天童市・天童公園の将棋のオブジェ
山形県天童市では、将棋駒の里としてまちづくりをおこなっています。
動画では、将棋の町・天童市に点在する将棋の駒のオブジェをご覧いただけます。
【動画】0:01~ 街の中に点在する将棋の駒のオブジェ
観光客によく知られているのが天道桜まつり「人間将棋」。甲冑や着物姿の人間が駒になりプロが対局するイベントです。
また、JR天童駅の「天童市将棋資料館」では、イベントホールにおいて、天童将棋駒の展示やお土産グッズの販売が行われています。書き駒作りの体験教室などもあるので、参加してみてはいかがでしょうか。
天童将棋駒ができるまで
天童将棋駒の最高級品「書体盛り上げ駒」ができるまでを紹介します。
作業工程
1. 駒木地づくり
駒の原木を乾燥させて、駒の形まで割っていきます。
2. 駒彫り
文字が書かれた紙を乗せて、手彫りで彫っていきます。
3. 駒埋め
文字を彫った溝に、天然の漆を塗っては乾かすことを繰り返します。
4. 瀬戸引き
駒の表面を研ぐときの最後の仕上げは、瀬戸物を使って磨きます。
5. 盛り上げ駒
駒に文字が浮き出るように、漆で文字を何度も重ねます。
動画では、職人がそれぞれの工房で作業する様子をご覧いただけます。
【動画】0:26~ 天童将棋駒ができるまで
天童将棋駒まとめ
動画では、木の美しさや駒の手触りまで伝わってくるようですね。熟練の匠の技が伝わってきます。天童将棋駒の盛り上げ駒は、プロ棋士の集中力をアップさせるともいわれています。
今も職人によって受け継がれる、日本の伝統的工芸品「天童将棋駒」をぜひ動画でご覧ください。
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