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フグのぬか漬け紹介動画

こちらの動画は「Nippon.com: Japan in Video」が公開した「Pufferfish “Nukazuke”: Delicacy from a Deadly Fish | Nippon.com: Japan in Video」です。

フグには致死量が高い「テトロドトキシン」という毒物が卵巣や肝臓に多く含まれています。
しかし、石川県白山市金沢市の金石地区、大野地区ではその危険なフグの卵巣を2年以上発酵させて食べる「フグのぬか漬け」という珍味があります。

食品衛生法で食用が禁じられているフグの卵巣を食品にしているのは全国でも石川県のこの地域のみです。
材料に使われるのは卵巣が特に大きく食べ応えがあるゴマフグです。
こちらは動画の0:09からご覧になることができます。
ゴマフグの卵巣にはテトロドトキシンが含まれているのですが、どうやってこの毒を消していくのでしょう?
どうやら、フグのぬか漬けの「製法」にその秘密があるようです。
では動画とともにこちらの記事もお楽しみください。

珍味・フグのぬか漬けの作り方

フグのぬか漬けの制作工程の画像
画像引用 :YouTube screenshot

フグのぬか漬けはゴマフグから取り出した生の卵巣を1000リットルの容器に敷き詰め、濃度30%の塩水に1年から1年半漬け込みます。
塩に含まれているナトリウムには脱水作用があり、卵巣内部の水分がほぼ出尽くし固くなります。
その後水洗いされた卵巣は米麹、唐辛子の入ったぬか床に漬けられます。
この時卵巣が空気に触れないように木の蓋をし、さらに重石を載せます。
そして酸化を防ぐためにイワシから作った「いしる」と呼ばれる魚醤出汁の一種を樽の淵に注ぎ込みます。

こうして半年から1年ほどかけてぬか漬けにされた卵巣は組織採取を行い、マウスによるテトロドトキシンの含有量テストの結果、人体に影響がないと判断されると商品として出荷されていきます。

動画では0:14より調理人がゴマフグを捌き、卵巣を取り出す様子をご覧になることができます。
巨大な容器に綺麗に並べて敷き詰めていく作業工程は動画の0:26よりご覧になれます。
ぬか床から取り出し、完成したフグのぬか漬けは動画1:11より紹介されます。

日本の伝統のぬか漬け

フグのぬか漬けの制作工程の画像
写真:ぬか漬け

ぬか漬けは日本の伝統的な発酵技術ですが、これでテトロドトキシンのような猛烈な毒素が無毒化されるという科学的な根拠は立証されていません。
しかしながら発酵の時に誕生する微生物や乳酸菌の働きでテトロドトキシンが分解されていくのではないかと考えられています。
まだ医学も科学も未発達だった時代から、猛毒を持つゴマフグの生の卵巣を2年以上もの時間をかけて丁寧に発酵させることで無害な高級食材に変化させてしまうのですから、日本文化の歴史の奥深さに驚きを禁じえません。

フグのぬか漬け紹介まとめ

フグのぬか漬けの制作工程の画像
画像引用 :YouTube screenshot

フグの調理には調理資格免許が必要なのでフグのぬか漬けは素人には作ることができません。
フグのぬか漬けの製造元は石川県にしかないのでぬか漬けは石川県の名産品として大人気の逸品です。
そのまま食べても大変美味しいのでごはんのお供やお酒のあてとしても、また調味料としても優秀な食材なので、さまざまなレシピに活用できます。
ぜひ皆様も一度食されてみてはいかがですか。

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年9月15日
日本
児玉 勇(Yu Kodama)
日本と焼き鳥をこよなく愛するライター
フグのぬか漬けは2年以上もの時間をかけて丁寧に発酵させる高級食材。石川県の名産品として大人気の逸品は肴のあてに最適!
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